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呪われた僧侶宿舎



呪われた僧侶宿舎

 

場所 法多山尊永寺
期間 7月22日(土)〜10月9日(月・祝)の土日祝、8月14日(月)〜18日(金)
 
  

頼みの綱はトランシーバーのみ

静岡 法多山 尊永寺でのお化け屋敷は今年で4回目になります。今回の舞台は僧侶宿舎。
トランシーバーを手に呪われた宿舎に入り、彼女のぬいぐるみを探し出せ!


 
詳しくは「呪われた僧侶宿舎」公式ページをご確認ください

  

ストーリー

清寧は、得度したばかりの僧侶で、その寺の宿舎で寝起きしながら修行に励んでいました。
ある日、清寧は住職と一緒に、ある家の葬儀に出かけました。
葬儀は、精神を病んで亡くなった安代という、まだ若い妻のものでした。喪主である夫は、安代とはずいぶん歳が離れているように見えました。
読経が終わり、安代の家族と話をする住職の後ろで片付けなどをする清寧の耳に、不意に一つの名前が入ってきました。それは、「もえみ」という名前でした。
耳馴染みのある名前だと思ったものの、どこでそれを聞いたのか思い出せません。
その時、「ラジオ番組で……」「ラジオネームが……」という言葉が聞こえてきました。どうやら亡くなった安代は、ラジオ番組に頻繁に投稿をしていたということです。
それを聞いて、清寧はようやく「もえみ」のことを思い出しました。
もえみは、清寧がよく聞いているラジオ番組にたびたび投稿してくるリスナーでした。
けれど、もえみは確か、女子中学生のはずです。
清寧は遺影を見上げました。そこに写っている安代はすっかり成長した女性で、どう見ても中学生ではありません。
ラジオのリスナーが、年齢や職業を偽ることはよくあることです。安代がもえみという名前の女子中学生に扮して投稿していたことは、ラジオの世界では驚くようなことではありません。
しかし、そのことに清寧は軽い失望を覚えました。というのも、清寧は番組を通して、もえみに親近感を抱いていたからです。
清寧ともえみには、共にひとつの隠しごとがあったのです。
寺での修行は、若い清寧には辛いものでした。朝早くから起き、広い境内や建物を掃除し、読経を繰り返す生活の中で、唯一の楽しみは、夜に宿舎の中で聞くラジオでした。しかし、宿舎への携帯電話やテレビの持ち込みは禁じられていました。ラジオについては規則には記されていませんでしたが、尋ねたら禁止していると言われそうな気がして、清寧はラジオを押入れの中に隠していました。
清寧にとって、ラジオは修行の辛い日々を癒してくれる大切なものでした。押入れにこもって、イヤホンをつけて聴くその時間だけが、清寧にとって唯一の楽しみでした。
その番組の中で清寧が共感を抱いたのが、もえみの投稿でした。
もえみには、厳しい父親がいました。投稿の様子から察すると、時々叩かれることもあるようでした。
もえみには、父親に秘密にしている隠しごとがありました。
トイレの裏で子猫を飼っていることです。そのことを父親に知られたら、きっとどこかに捨ててくるように言われるに決まっている。もえみは、そのことを悩んでいました。
厳しい修行の中で、唯一の楽しみであるラジオを隠し持っている清寧にとって、厳しい父親に隠れて子猫を飼っているもえみは、自分の境遇にとても近い存在でした。いつしか、清寧はもえみを自分の妹のように思うようになりました。
ところが、葬儀で知ったもえみは、自分よりもはるかに年上の女性だったのです。
そのことに、清寧は大きな衝撃を受けました。
けれど、現実とはこのようなものなのかもしれない。清寧は、古い一軒家の室内を眺めながら、そう思うのでした。
考えてみれば、もえみの投稿には不自然なところがありました。
隠れて子猫を飼っている、といっても、鳴き声も出すだろうし、トイレの裏におとなしくしているわけでもありません。そうなると、早晩、父親が気づいてもおかしくはありません。けれど、投稿は半年以上続いていました。そんなに長いこと、子猫を気づかれずに飼うことはできるでしょうか。
安代は、番組の中で、女子中学生を演じ、その自分が子猫を飼っている、という妄想の物語を作っていたのです。
清寧は、そんなことにも気づかなかった自分に愚かさを覚えました。
しかし、いざ帰る段になって、清寧は、それでもどうしても確かめておきたくなりました。
住職に頼んで、家の奥にあるトイレに向かいました。
中に入ると、小窓があります。ほんの微かな期待を抱いて、その小窓から外を覗きました。けれど、そこには隣の家の壁があるばかりで、そのわずかな隙間にはとても人の入れるようなスペースはありません。見下ろすと、砂利が敷かれていて、子猫を飼っていたような痕跡も見受けられません。
ようやく諦めもついて、トイレを出ようとした時に、清寧は何かの声を聞いたような気がしました。立ち止まって耳を澄ませますが、何も聞こえません。けれど、何かが引っかかるように思ってトイレの中を見渡しました。
少し高いところに棚が設えてあって、そこに洗剤やトイレットペーパーが置かれています。目についたのは、百合の造花でした。
清寧は、投稿の内容を思い出しました。
「トイレの裏に、隠れて子猫を飼っていた。そこには百合が咲いていた」
清寧は、少し背伸びをしてその棚の造花を手に取ってみました。すると、その奥に猫のぬいぐるみが見えました。
清寧は、ハッとしました。
安代が投稿していたのは、すべてが妄想の物語ではなかったのだ。
彼女は、歳の離れた夫の後妻としてこの家に嫁ぎ、時々乱暴を振るう夫に耐えながら、ラジオを慰みとして日々を送ってきていたのかもしれない。そんな彼女は、このトイレでひとり、猫のぬいぐるみで遊ぶのを楽しみに生きていたのだろう。
そう思うと、番組に投稿をしていた安代が、再び自分に近しい者のように思えてきました。
清寧は、手に持った猫のぬいぐるみをそっと懐に入れました。
宿舎に戻った清寧は、そのぬいぐるみを部屋の中に隠しました。
しばらくすると、宿舎の中で奇妙なことが起こるようになりました。
男の僧侶しかいないはずなのに、風呂場に長い髪の毛が落ちていたり、どこかで女の声が聞こえたりします。やがて、女の影が目撃されるようになってきました。
女は何かを探して、宿舎の中を歩き回っているようです。
清寧にはその理由がわかっていました。けれど、そのことを住職に打ち明けるわけにはいきません。
恐ろしくなった清寧は、誰にもそのことは告げぬまま、宿舎を去ってしまいました。
しかし、宿舎に現れる女の霊は、その後も立ち去ることはありませんでした。むしろ、以前に増して姿を現すようになりました。
女は何かを探しています。しかし、清寧がいなくなった今となっては、それが何かも、どこにあるかもわかりません。
やがて、宿舎には誰も住む者がいなくなってしまいました。
「どこだ? どこに隠した?」
今夜も、女のそんな声が聞こえてきます


概要

タイトル 袋井お化け屋敷2023「呪われた僧侶宿舎」
URL http://www.fukuroi-obake.com
場 所 法多山尊永寺 
期 間 7月22日(土)〜10月9日(月・祝)の土日祝、8月14日(月)〜18日(金)
時 間 ●スタート時間/12:00〜(最終組スタート時間/20:30〜)
料 金 大人(18歳以上) 1,800円(お一人様) 中・高生 1,500円(お一人様) 小学生(保護者同伴必須 1人につき1名) 1,200円(お一人様)
所要時間 30分程度
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