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棘の首飾り



棘の首飾り

 

場所 広島PARCO新館9F イベントスペース
期間 2024年7月12日(金)〜9月1日(日)→9月29日まで延長決定!開催中
 
  

あなたが手にする一輪の薔薇だけ

この家の呪いを解くことができるのは、あなたが手にする一輪の薔薇だけです。

広島PARCO30周年オリジナルストーリー 広島八丁堀お化け屋敷「棘の首飾り」開催!!
昨年初開催され、1.3万人が絶叫したという人気企画、広島PARCOのお化け屋敷が出現します。
 
9月29日まで延長決定!!
延長期間の各日17:00からは絶叫編と題して
よりハードで恐ろしい演出を追加して皆様を恐怖のどん底へお連れいたします。
 

 
詳しくは「棘の首飾り」公式ページをご確認ください

  

ストーリー

陽夫と夕介は幼馴染でした。
一つ下に、華奈という女の子がいて、いつも遊ぶ時は三人一緒でした。
陽夫はきれいな顔立ちをした、活発な性格で、一方の夕介はずんぐりとした体型の優しい性格でした。
相反する性格でしたが、陽夫と夕介の二人の時は、とても仲良く遊んでいました。
華奈は時々、こんなことを言ったりしました。
「大きくなったら二人と結婚する」
すると、陽夫は言い返します。
「馬鹿だなあ。結婚は一人としかできないんだぞ。俺か夕介のどちらかとしか結婚できないんだ」
すると、華奈は困った表情を浮かべて答えました。
「だったら、私が二十歳の誕生日になったら、どちらかを選ぶよ。だから、今は一緒に遊ぼう」
華奈のそんな言葉にもかかわらず、いつしか陽夫と夕介の間に目に見えない競争意識が芽生えるのでした。
 
ある春の日、いつものように三人で遊んでいる時、夕介が器用にシロツメクサを編んで首飾りを作って、華奈に渡しました。
華奈はそれを嬉しくて、家族や友達に自慢し、それまで目立たなかった夕介の評判が急に高くなりました。クラスの中で目立っていた陽夫は、そのことが悔しくて、次第に二人の仲は疎遠になっていきました。
 
それから十数年の歳月が流れました。
ある日、華奈が家に帰ると、一本の赤いバラの花が届いていました。不思議に思いましたが、華奈はそのバラを花瓶に生けました。
その翌日も一本のバラが届きました。またその翌日も一本届きました。
贈り主に心当たりがあるとすれば、陽夫か夕介しかいません。なぜなら、30日後は華奈の二十歳の誕生日だったからです。
30本のバラを贈る、というのは「私はあなたを愛している」というプロポーズを意味します。
華奈はそのことをよく知っていました。
だから、誕生日に30本目のバラが届いたら、それは幼い頃の約束を意味しているのです。
バラは毎日届き、華奈の部屋の花瓶の中で、バラは10本20本と増えていきます。
そして、29本目のバラが届きました。
明日は華奈の誕生日です。果たして、バラは届くのでしょうか?そして、それは誰が贈ってくれていたのでしょうか?
でも、華奈は薄々勘づいていました。30本のバラがプロポーズを意味することを知っているのは、花が好きな夕介の方だろう、と。
 
いよいよ誕生日の日がやってきました。
この日は、華奈は部屋で待ち構えていました。夕方になって、玄関のチャイムが鳴りました。華奈は高鳴る胸を押さえてドアを開けました。
そこに立っていたのは、陽夫でした。
華奈は驚きながらも、陽夫の差し出した一輪のバラを受け取りました。
華奈と陽夫の結婚生活は、最初のうちこそ幸せなものでしたが、一年も経たないうちに暗い影が差すようになってきました。
 
そして、華奈の次の誕生日が訪れようとする30日前のことです。
一本の黄色いバラが届きました。
このバラを見て、陽夫は華奈が浮気をしているのではないかとなじりました。
 
翌日も、その翌日も一本のバラが届きます。
一年前と同じです。
 
華奈も陽夫も、このバラの贈り主の心当たりがありました。
夕介に違いない。
実は、陽夫の心中は穏やかではありませんでした。
陽夫には、一つの大きな秘密がありました。
一年前の誕生日にバラを持ってきたのは確かに陽夫でした。けれど、それまで29本のバラを贈っていたのは夕介でした。
そのことを知った陽夫は、華奈の誕生日の日に、その玄関で待ちました。予想通り、夕介が現れて、30本目のバラを玄関先に置いて去っていきました。その姿を見送った後、陽夫はそのバラを拾い上げて、玄関のチャイムを押したのでした。
でも、夕介はあの後、死んだのではなかったか。
陽夫は思いました。
自分の裏切りによって華奈を奪われたことで、精神的に病み、半年後に亡くなったと聞いている。それなのに、なぜバラが届くんだ?
陽夫の背中を薄ら寒いものが流れます。
しかし、そんな陽夫を追い立てるように、毎日バラが届きます。陽夫はそのバラをゴミ箱に捨てます。けれど、次の日には、その捨てた分も含めたバラが届きます。
捨てても捨てても、十日が経つと10本のバラが、二十日経つと20本のバラが届きます。陽夫にとって、それはまるで自分を責めているかのように感じられます。
その不安の矛先は、華奈へと向かいます。
陽夫は、バラの送り主が華奈の浮気相手だとなじり、贈られてきたバラで彼女の顔を殴ります。バラの棘で、彼女の顔はたちまち傷だらけになります。顔の切り傷からいく筋もの血を流しながら、華奈は怨みがましい目で陽夫を見上げます。
「私は知っている。こんなことをしていても、あなたの秘密が、もうじき暴かれる」
そんな言葉に、陽夫はますます逆上して、バラの花束を振り上げるのでした。
 
しかし、30日目は否応なくやってきました。
部屋の中は、捨てられたバラの匂いで息苦しいくらいです。陽夫は不安を紛らわすために、朝から酒を飲んでいました。
夕方になる頃にはすっかり酩酊していました。
その時、玄関でチャイムが鳴りました。
陽夫がおぼつかない足取りでドアを開けました。
目の前にあったのは、30本のバラの花束ではありませんでした。
そこにあったのは、30本のバラで編んだ首飾りだったのです。
玄関から顔を出した陽夫の首に、バラの首飾りは巻き付けられました。首筋に痛みが走ります。
声を上げる間もなく、今度は首に棘を食い込ませたまま、その首飾りがギシギシと回されました。食い込んだ棘が柔らかい首の皮膚を裂いていきます。皮膚を破り、肉に食い込み、じわじわと体の芯のほうへと入り込んでいきます。
その頃には、もう首飾りに手をかけることもできません。
陽夫は、首の周りを回って肉に食い込むバラの首飾りによって、命を失っていきました。
その後、華奈の体は、その家で死体となって発見されました。
そこには、こんな書置きが置かれていました。
 
「実は、私も30本のバラを送ってくれていたのが夕介さんだということを知っていました。でも、誕生日の日に陽夫さんが玄関に立っていた時、私はそれが嘘だと知りながら受け入れました。私は、ずっと陽夫さんと結婚したかったのです。あのバラが夕介さんじゃなかったらどんなにいいだろうと、ずっと考えていました。でも、そんな嘘の結婚生活はやっぱり間違いでした。ごめんなさい、夕介さん。ごめんなさい、ごめんなさい」
 
その家は、今ではバラに呪われた家として、誰も住む者がいなくなってしまいました。
そこでは、今でも時々バラの花が落ちていることがあるといいます。一体誰が持ち込んだものでしょうか?
そしかしたら、夕介の霊が、今もその家を訪れているのかもしれません。


概要

タイトル 広島八丁堀お化け屋敷「棘の首飾り」
URL https://togeno-kubikazari.com
場 所 広島PARCO新館9F イベントスペース 
期 間 2024年7月12日(金)〜9月1日(日)→9月29日まで延長決定!
時 間 10時~20時30分(最終入場は閉場30分前)
料 金 1,000円(税込) ※小学生以下は保護者同伴
所要時間
Staff 主催:広島PARCO/マグマワークス
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